France / Rhone
Richard et Laurent Kien / リシャール エ ローラン キエン
· Merci Quand Même NV (2023)
品種:モーザック 100%(買い葡萄)
白 750ml
キュヴェ名を訳すと「それでもありがとう」という意味で、期待してたことが上手くいかなかったとしても、助けてくれたり、試みてくれたりした人に感謝を示す言葉です。
2023年は、洗練された美しい酸と、白桃や洋ナシを思わせる白い果実の風味が特徴的です。バターのようなリッチな風味と爽やかさが見事に調和し、わずかな発泡感が心地よいアクセントとなっています。
どことなくジェローム ジュレの手掛ける白ワインに通じる雰囲気があり、全体のバランスが見事に整った素直で実直な味わい。清涼感のある酸と、クリーミーな質感が絶妙なハーモニーを奏でています。
このワインは、ブドウの果皮等に自生する自然酵母での発酵を経て、厳密な清澄や濾過(ろか)を行わず、瓶詰めに至るまで亜硫酸(酸化防止剤)無添加で造られました。
抜栓後数日たってもバランスを崩すことなく、長く安定した味わいを楽しませてくれます。
(インポーター資料より)
Richard et Laurent Kien / Merci Quand Même NV (2023)
「未来を創る」ために、ナチュラルワインのプロジェクトを立ち上げた4人の若者たち、リシャール エ ローラン キエン(RLK)。
彼らはただ「美味しいナチュラルワイン」を造ることだけを目指しているわけではありません。その先にあるのは、ポジティブな未来を創り出すという壮大なプロジェクトです。
ナチュラルワインの一大ホットスポットであるフランス アルデッシュ地方で、彼らのプロジェクトを楽しむ心、そしてポジティブなエネルギーがたっぷり詰まったワインが次々と生まれています。
少し長すぎる名前に、「ほら例の若い人たちのあの造り手…」なんて呼ばれることも多いリシャール エ ローラン キエン(以降 RLK)。
このRLKは、4人の若者が立ち上げたナチュラルワインのプロジェクトです。しかし、彼らが目指しているのは、単なる「ナチュラルワイン造り」だけではありません。このプロジェクトの本当の目的は、そう、「未来を創ること」。
そもそも彼らはどうしてこんなに楽しそうに仕事ができるのでしょうか?
私が感じる一番の理由は、自分たち自身で「意義のある仕事」を選び、それを実践できている喜びがあるからだと思います。
人はみな、生きるために何かしらの仕事をしなければなりません。しかし、彼らのような若い世代にとっては、生きる糧を得るためだけに働くだけでは「不足」を感じるのでしょう。彼らにとって重要なのは、「なぜこの仕事をするのか?」という問いに対して、きちんとした答えを持つこと。
その目的をしっかりと持てることが、自己肯定感につながり、トラブルにも負けずに楽しく仕事に取り組めるのだと思います。
一方で、この自己肯定感を持てずに苦しんでいる若者もたくさんいます。
ヨーロッパでは国によってばらつきはありますが、若年層失業率が全成人の失業率の約2倍以上に達している国もあり、生きるための仕事も得られず自分たちの存在意義を見失う若者が多く存在します。
そんな状況の中でも、RLKのメンバーたちは、コミュニティや環境との共生を大切にし、ローカル経済を支える仕事としての自然派ワイン造りを成功させ、自分たちのような若者や、さらには次の世代が社会での役割を見つけ、希望を持って生きることを示し、多くの人が持続可能な社会の実現を通じて、自己肯定感を持てる未来を創ろうとしているのだと思います。
ワイン造りを支える4つの柱
RLKの素晴らしいワイン造りの源泉は「友情・環境・コミュニティ・ローカル」の4つだと感じています。
まず友情に関して、昨年の夏に会った際にも感じましたが、RLKのメンバーは、本当に仲が良いなと感じます。
そしてその彼らの人間関係が、そのままワインに映し出されているのが魅力です。
シンプルながらも明るく外向的なスタイルのワインたち。多くのプロセスを自然に委ねる必要がある自然派ワイン造りにおいて、さまざまな苦労や葛藤があったであろうことを表に見せず、実に気持ちの良い表情のワインたちに仕上がっています。
彼らのワイン造りにおいて、友情は非常に重要な役割を果たしています。1人では悩み乗り越えられないことでも、仲間とともに最善の結果を追い求めることで乗り越えられる。それがRLKのワイン造りの強みだと思います。
そして、ただ単に仲の良い仲間というだけでなく、大切にしたい価値観を共有しているのもRLKの強みです。その価値観とは、「環境への配慮」であり、「自然との共生」です。
重要な価値観を共有して仕事にあたることによって、彼らのプロジェクトはビジネス以上のものになります。
目指すべき目的が明確であることで、さらなる結束とモチベーションが得られるのだと思います。
そんな若者たちの挑戦をフランス自然派ワインのホットスポットであるアルデッシュの造り手たちのコミュニティが支えています。
この地域の先駆者であるジル アゾーニやジェラール ウストリックたちを筆頭に、ジェローム ジュレなどベテラン勢が、アルデッシュで新しく自然派ワイン造りに挑戦する人を全力でサポートします。
これは技術的な側面だけではなく、拡張した家族のような精神的な安心感を提供します。
ジェローム ジュレでの研修を経たRLKのワイン担当であるジョアンは、彼らから多くのことを学び、また折に触れて仲間たちの様々な仕事を互いに手伝い合い、様々な経験を得ています。
もしかしたらアルデッシュでなければ、1年目、そして2年目からこのような素晴らしいワインを生み出すことはできなかったかもしれません。
そして最後に、RLKのメンバーが尊重しようとするローカル。このローカルはワイン造りをしているアルデッシュであり、また自分たちの国フランスでもあります。
エネルギー効率や幸せな社会を考えた場合、できるだけ近い距離で価値を交換し合うことが理想です。このようなサーキュラーエコノミー(循環経済)は、環境負荷が少ない上に、大手資本による富の収奪も少ないという理由で注目されています。
RLKのミッションとして、まずは「地元」を大切にというのは、とても共感できるコンセプトです。
初リリースの時にもお話ししましたが、もともとRLKのワインは「輸出はしない」と言われていました。
これを無理やり口説き落としたなんて、ドラマチックなことがあったわけではなく、そのコンセプトにただただ共感し、そうした取り組みをしている彼らを応援したいなと思っていただけでした。
ただ、be a good friendの理念の一つ「友情とは心理的な距離である」にも共感してくれたのか、こうして素晴らしいワインが日本のトモダチに届けられるようになったのです。
(インポーター資料より)