Australia / Flaxman Valley , South Australia
Tom Shobbrook
· Riesling 2022
品種 Riesling 2022
白 750ml
トムが愛してやまない品種、リースリングで造るワイン。トム曰く、ブドウの植わる場所を、容易に表現することができる品種との事。強靭な酸を持ち合わせているので、収穫時期もできるだけ引っ張るようにしている。
(インポーター資料より)
Tom Shobbrook / Riesling 2022
オーストラリアのナチュラルワイン界をけん引する1人であるトム ショッブルックのショッブルック ワインズ。
2018年ヴィンテージに収量ゼロ(正確には50リットル入りのダミジャーナ2つ分…それも選果に選果を重ねなければいけないほど厳しい品質のブドウで、それは全て彼らの自家用としてなくなってしまいました)だったパーネヴィーノ(以下PV)のために、PVやカンティーナ ジャルディーノなどの造り手のワインをオーストラリアに輸入しているジョルジョ(イタリア人)が、オーストラリアの造り手たちにお願いして信用の置ける農家のブドウをPVのために手配してもらい、PVは収穫と醸造をすべく2019年3月にオーストラリア初上陸します。
そのブドウを手配し、醸造設備などを貸してくれたのが、ルーシー マルゴーとトム ショッブルックでした。
2019年11月にワインをボトリングするためにPVが再びオーストラリアに行った際にオータも合流し、ボトリングのお手伝いをしたわけですが、その際に2MTのアシュリーやトムと初めて会いました。
トムは、イタリアはキャンティ地方で修行していたということもありイタリア語がペラペラ(正確にはトスカーナ弁…(笑))。というわけで、オータも難なくコミュニケーションが取れたわけですが、初対面の際に彼の口から出た「初めまして、ヒサト。君の事は共通の友人であるイタリアの造り手から散々聞かされてきたよ。なによりもまず、俺は日本でのみならずナチュラルワインの世界で君がしてきた仕事に対して、感謝の念と大いなる敬意を持っていることを伝えたい。君のようなインポーターが、何年も前から時間をかけて道を切り拓いておいてくれたからこそ、俺やアントン(ルーシー マルゴー)のようなナチュラルワイン界では新参者のワインも日本では温かく迎えられたのだと自分は思っている。」といった主旨の言葉には本当にビックリしました。
何事にも誠実&丁寧なトムの姿勢にはいたく感銘を受けたわけですが、そんな彼からヴィナイオータで取り扱ってもらえないかという打診を受けたのが去年。そんないい奴にお願いされたら断る理由はない…と言いたいところなのですが、確認せずにはいられないことがひとつだけありました。
2019年に行った際、ジョルジョたちが企画するナチュラルワインのサロン(試飲会)がメルボルンであったのですが、2MTのアシュリーのプロダクトを一通り試飲させてもらった後はもっぱらオーストラリアのワインを片っ端から…。オータ自身、それまでオーストラリアワインを数多く飲んだことがなかったですし、見たこともないラベル(造り手)が沢山あり、そしてそもそもオーストラリアにいるわけですから、現地のワインを飲まないと!と考え色々飲むことにしたわけですが、心の中でやや意地の悪いテーマを掲げていました。それは、“灌漑のなされた畑のブドウを使用しているか否か”をブラインドで当てるという…。暑く乾燥している場所も多いオーストラリアですので、「灌漑も致し方ない」とか「ちょっと水撒くくらい良いのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、オータ的にはテロワールやヴィンテージの個性をマスキングする危険性を孕んだものだという認識があります。加えて、ただの水ならまだしも、造り手/農家によっては海水を混ぜた水を撒きブドウに“ミネラル感”を付与しようとしている話まで…。仮に農法的にはオーガニックで、醸造面でも酸化防止剤完全無添加だったとしても、畑に塩水を撒いたしまったら、それをナチュラルワインと呼べるのか…??そんな悶々とした気持ちを持ちながら試飲を進めていくと、しょっぱいワインの多いことに愕然とするオータ…。ですが、ヤウマのような造り手のブースでワインを飲むと、やっぱりしっくりくるというか、そういった違和感を感じない…。
この経験がオーストラリアのワインを扱うのは難しそうだという判断に繋がっていたので、トムからの打診が来た時にも、灌漑に対する彼の考え方をそれとなく聞かないわけにはいかず…。
・まだ自社畑は生産態勢に入っておらず、現状2軒の農家から買ったブドウでワインを造っていて、1軒は灌漑を行わず、もう1軒トムからの答えは下記のようなものでした。
・トム個人としては、灌漑はテロワールやヴィンテージの個性を歪めかねないので、基本反対の立場である。もちろん、植えたばかりの樹のある区画であったり、緊急事態的ヴィンテージは例外。(プールサイドに使用されているシラーの生産者)はやめてくれって言ってもやめてくれないという事情が(笑)。
・自宅兼ワイナリーの周りにブドウ畑を準備していて、近々一部のブドウが生産態勢に入る。そこの畑では、当然のことながら無灌漑を実施したいし、将来的には生産するワインの大半を自社ブドウで造りたいと考えている。ただ、アメリカ系の台木に接ぎ木をすることなく、枝に根を生やさせただけの苗を植えているため、完全な無灌漑を実現するまでには少々時間がかかるかもしれない。繰り返すが、灌漑に関してはヒサトの意見に1000%賛成だ。
・俺の(人生という名の)旅を、君と分かち合うという機会をもらえたことに本当に感謝している。(インポーター資料より抜粋)